なぜ病院はサービス残業が多いの? 医療界の悪しき風習

働き方

こんにちは!! 理学療法士でファイナンシャルプランナーのナカジです。

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今回は、なぜ病院はサービス残業が多いのかについて書かせていただきます。

あなたの職場では、サービス残業は行われていませんか?

近年、働き方改革によって以前に比べればかなり減ってはいると思いますが、私の体感では、多かれ少なかれ差はありますが、9割以上の病院でサービス残業は行われていると思っております。

いったいなぜ病院ではサービス残業が多いのか、仕事の特性と働いている人の特徴や、どういった業務がサービス残業として多いのかを挙げてみました。

サービス残業とは

まずは、サービス残業について簡単に見ていきましょう。

サービス残業は適切な賃金が支払われない時間外労働を指すもので、「従業員がサービスする」という意味合いからこのように呼ばれます。

これは労働基準法で決められていることであり、残業代を支払わない場合は「違法」となります。

勤務後だけでなく、就業前や休憩の時間に働くことも時間外労働にあたり、サービス残業をさせる行為には、懲役6か月以下または30万円以下の罰則が科されます。つまり、上司が残業代はつけられないが、仕事をしてくださいと明言してしまうの犯罪となってしまいます。

また、業務量が多い場合などで、従業員がサービス残業をしたがる状況やしなくてはならない理由がある場合も、違法行為であるので適正に給料が支払われるか、業務量を適正にしなくてはなりません。

なぜ医療現場でサービス残業が発生しやすいのか

具体的な理由を3つ書いたのでみていきましょう!!

収益がないけど大切な業務も多い

1つ目の理由は、収益がないけど大切な業務も多いことです。

具体的なものとして以下の4つを上げてみました。

  • 治療前の情報収集(基礎疾患の確認や、画像のチェック、入院前の生活や家族歴など)
  • 治療の説明、実際に治療を行った後の記録や経過の観察
  • どんな治療を行うのが良いか、検討したり他職種とカンファレンスを行っている時間
  • 使用物品や機械の整備をしている時間

どれも大切な仕事で、儲からないからやらないということはできないし、手を抜くこともできません。

情報収集や機器管理を怠っていれば命に直結する問題になったり、説明や記録を怠っていると責任問題が問われたりと大変な問題になってしまいます。

私自身どれか1つでも欠けている病院には行きたくないものです。

しかし、上司や経営陣は収益を上げることを優先させるばかりで、このような収益はないけど大切な業務の時間配分をがしっかりと見積もってくれないこと多いです。

またこういった仕事は、入院する患者や受け持った人によって対応する時間や仕事量をあらかじめルール化するが難しいことも、サービス残業が発生する要因になっていると考えられます。

1人1人の仕事量が客観的に評価させるようになれば良いのですが…

稼ぐという考えがない人が多い

2つ目の理由は、病院には稼ぐという考えがない人が多いことです。

めっちゃ稼いでやる! 私がこの会社を変えてやる!という意気込みで会社に入ってきている人を見たことがありません。

ここまでとはいかないものの、病院はどのように利益を上げていて、自分自身がどれくらいの収益を上げているか、この治療の単価はいくらかということも知らない人も多いです。

病気やけがをして人に平等に治療を行うという観点からはすごく良いと思いますが、私たちも収益を上げていることで給料をもらっているという側面を忘れてはいけません。

自分の貴重な時間を使って働いているわけですから、自分の時給と売り上げを考えて仕事を行うように働いている人も意識をしてもらう必要があります。

収益が少なく、命にはかかわらないような優先順位の低い仕事はさっさと終わらすなど、業務の優先順位を立て、労働生産性を上げていく努力も大切です。

仕事と勉強の境界が曖昧

3つ目の理由は、仕事と勉強の境界が曖昧なことが挙げられます。

医療は学問であり、技術職でもあるので仕事を行いながら学ぶことや、本を読んだり、先輩に聞きながら勉強をすることが必要となってきます。

どこまでが仕事であり、勉強なのか、はたまた趣味なのかその境目は人によっても異なるし難しいとことであります。

具体的な例を挙げると、例えば、新人が先輩に治療についての相談を行ったりします。

これも収益はないけど大切な仕事の1つです。

おそらく新人にとっては勉強に近いですが、先輩取っては仕事に近いかも知れません。

だからといって、新人は給料なし、先輩には給料をあげるというのを公言するのは難しいと思います。

このような勉強と仕事が境目がわかりにくいことは医療界では数多く存在します。

実際には明らかに仕事の要素が多いのに、経験や勉強で言いくるめられるものは自己学習扱いにさせ、サービス残業とさせられる場合もあるので注意が必要です。

具体的な事例

ここでは具体的なサービス残業の例を挙げていきます。

パッと思いついたもので以下のようなことがあげられます。

  • 更衣室での着替え
  • 出勤後のカルテの情報収集
  • 急な対応による昼休みの応援
  • 患者さんの日報の記入
  • 半強制的な研修
  • 業務の引継ぎや情報交換

このようなものが日常的にサービス残業とさせられてしまうことが多いと思います。

みなさんの職場はいかがでしょうか?

これらはどれも確実に仕事であるため、時間内に終わるように業務の設計を行うか、過ぎた分は残業を支払うべきであります。

まとめ

今回は、なぜ病院はサービス残業が多いのか?ということについて書かせていただきました。

改めてみてみると、命に関わる仕事であることや、働いている人の特徴、なんでも勉強や経験にされてしまうような様々要因があることがわかりました。

その中でも、確実に仕事であるものについてはしっかりとして給料が払われるべきでありますし、払えない病院については、職員がいなくなり潰れて、適正な給料を支払える病院だけがこの世に残れば良いのになと願うばかりです。

どうしても給料が払われない職場にお勤めの方は、早めの転職をおすすめします。

就職選びを悩んでいる方は、こちらの記事を読んでいただければと思います。

病院への就職前に調べておきたいこと5選

病院への就職選びのポイント 求人票からの見つけ方

最後まで読んでいただきありがとうございました。

では、また!!!

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